5分でできる!NTP(chrony)の設定方法【CentOS7】
NTPの設定は、OSをインストールした直後にやっておきたい設定のひとつです。
この記事では、簡単な設定で、手っ取り早く、信頼性のあるNTPサーバ / クライアントをセットアップする方法を解説します。
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NTPとは?
釈迦に説法だとは思いますが一応。
物理的な時計と同じく、コンピュータ上の時計にも誤差があり、時間経過とともに少しずつ時刻がズレていきます。NTP とは、コンピュータ上の時計を正しい時刻へ同期するプロトコルのことです。
CentOS7 では、NTPサーバ / クライアントとして主に chrony が利用されます。Minimalインストール(最小構成)でない限り、CentOS7 ではデフォルトでインストールされています。
chrony の設定
インストール
#インストールされていない場合のみ
$ yum install chrony
設定
設定ファイルは /etc/chrony.conf です。
デフォルトの設定でも動作しますが、以下の設定を変更しておくとなお良し。
#時刻同期対象サーバーを日本国内に限定する
server 0.jp.pool.ntp.org iburst
server 1.jp.pool.ntp.org iburst
server 2.jp.pool.ntp.org iburst
server 3.jp.pool.ntp.org iburst
#時刻同期サーバーの候補が2個以上の場合のみ、時刻同期を行う
minsources 2
#アクセスを許可するNTPクライアントのIPアドレス or サブネットを指定
#複数指定する場合は複数行に分ける
allow 192.168.1.0/24
allow 10.0.0.2
#NTPサーバとして使用しない場合は以下のように指定する
port 0
以下、各ディレクティブについての詳細です。
minsources
chrony は利用可能なNTPサーバ群から、伝送遅延などを考慮して、時刻同期の候補とするNTPサーバをいくつか選択します。(もちろん単一のNTPサーバと同期させることも設定によっては可能です)
minsources では、時刻同期に最低限必要な候補NTPサーバの数を指定できます。
これを2以上に設定することで、時刻同期の信頼性を向上させることができます。(1つの情報源しか得られない場合は時刻同期されません。それが間違っている可能性がある為です。)
port
NTPクライアントの接続を待ち受けるポート番号を指定できます。
デフォルトはUDPの123番ポートです。ファイアウォールの許可設定を忘れずに。
また、NTPサーバとして振舞う必要がない場合、0を指定することで、chrony はどのポートもリッスンしなくなります。
起動
デフォルトで enable になっているので、OS起動時に自動起動します。
$ systemctl start chronyd
以上でchronyの設定は完了です!
動作確認
時刻同期の状況確認
以下のコマンドで、chronyとNTPサーバ間の時刻同期の状態を確認することができます。
$ chronyc tracking
Reference ID : 0A545792 (ntp-a3.nict.go.jp) #同期先のNTPサーバ
Stratum : 2
Ref time (UTC) : Thu Oct 11 03:52:53 2018 #最終確認時刻(JST = UTC + 9時間)
System time : 0.000006891 seconds fast of NTP time #NTPサーバーと自端末時刻の誤差
Last offset : +0.000020936 seconds
RMS offset : 0.000534303 seconds
Frequency : 8.877 ppm fast #自端末の時計が1秒あたりに狂う秒数の推定(単位:100万分の1秒)
Residual freq : +0.003 ppm
Skew : 0.739 ppm
Root delay : 0.002347540 seconds #ルートNTPサーバーとのネットワーク遅延
Root dispersion : 0.000152602 seconds
Update interval : 64.4 seconds
Leap status : Normal
同期候補NTPサーバの一覧
$ chronyc sources
210 Number of sources = 4
MS Name/IP address Stratum Poll Reach LastRx Last sample
===============================================================================
^- date.no-such-agency.net 2 6 367 3 -57us[ -57us] +/- 51ms
^- ntp-5.jonlight.com 2 6 377 2 +3332us[+3332us] +/- 24ms
^* ntp-a3.nict.go.jp 1 6 377 5 +65us[ +98us] +/- 1691us
^- masao.paina.net 2 6 367 4 -4653us[-4653us] +/- 54ms
* マークが付いている行が実際に同期しているNTPサーバです。
参考
・公式マニュアル(英語)
https://chrony.tuxfamily.org/manual.html
・日本語でマニュアルを読みたい場合はこちら
・日本のNTPサーバー一覧
https://www.pool.ntp.org/zone/jp
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redhatの公式サイトを確認して時刻変更をしても時刻がずれてしまうので悩んでいました。
chrony について知らなかったのと、最小構成でインストールしていたのでこれで解決するといいなと思います。
ありがとうございます。